プロフェッショナルIPv6
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もはや次世代ではないIPv6のリアルな全体像に最速でキャッチアップするための一冊
- 小川晃通 著
- 456ページ
- B5判
- ISBN:978-4-908686-04-7
- 電子書籍の形式:PDF
- 2019年2月10日 第1版第2刷 発行
- 正誤情報
インターネットの歴史そのものであり続けたきたIPv4。そのIPv4アドレスの中央在庫が2011年に枯渇し、いよいよ存在感が増しているIPv6。互換性がないこれら2つのプロトコルが併用され、デュアルスタック状態で運用されているのが、現在のインターネットの実像です。その実像を捉えるには、比較的シンプルな仕組みであったIPv4ベースのネットワークの理解に加えて、近隣探索やアドレス自動生成、マルチプレフィックスといったIPv6ならではの概念を把握することはもちろん、両者を1つのインターネットとして束ねているDNSや、相互接続のためのNATに関する知識が不可欠になります。
本書では、いまやネットワーク管理者のみならずアプリケーション開発者にとっても避けては通れないIPv6プロトコルの基本的な仕組み、IPv4とのデュアルスタックを支える技術、そしてIPv4との共存について俯瞰的に解説します。日本固有の問題ともいえるNTT NGNにおけるIPv6接続についても付録にて詳解。
本書の主なトピック
- IPv6アドレスの基礎
- IPv6ヘッダと拡張IPv6ヘッダの仕組み
- 近隣探索(ND)とアドレス自動設定(SLAAC)
- それらを支えるICMPv6の基礎
- IPv4とのデュアルスタックを支えるDNS
- IPv4との共存技術の数々
- IPv4在庫枯渇の本当の意味
- いかにしてNTT NGNからIPv6インターネットに接続できるようになったか
電子書籍の無償配布公開について
「プロフェッショナルIPv6」は、株式会社日本レジストリサービス様、BBIX株式会社様、NTTコミュニケーションズ株式会社様、日本ネットワークイネイブラー株式会社様、クラウドファンディングでの皆様によるサポートにより実現しました。本書の電子書籍は、IPv6に関する技術情報を広く公開するという趣旨に賛同いただき、本書の執筆と制作、公開にあたって多大な協賛をいただいたこれらの皆さまのサポートにより、無償でどなたでもご覧いただける形で配布しています。
電子書籍は、下記に示すBOOTHのストアにて、販売価格0円の商品として配布しています。
BOOTHの機能により、価格を自由に上乗せしていただく(ブーストする)ことも可能です。BOOTHにてブーストしていただいた金額はすべて小川晃通(あきみち)氏個人にわたります。
執筆者紹介
小川晃通
技術系ブログ「Geekなぺーじ」管理人。慶應義塾大学にて博士(政策・メディア)取得。IT系エンジニア。プログラミング、テクニカルライティング、コンサルティング、DTP、セミナーや講演なども手がける。著書に『インターネットのカタチ』『マスタリング TCP/IP OpenFlow 編』(オーム社)、『アカマイ 知られざるインターネットの巨人』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『ポートとソケットがわかればインターネットがわかる』(技術評論社)など。
目次
序文
第I部 本書を読むにあたっての前提知識
第1章 インターネット概要
1.1 IPはパケット交換技術
1.2 層に分かれるネットワーク
1.3 トランスポート層の役割
1.4 オープンなプロトコルとRFC
第2章 IPv6でインターネットはどう変わるか
2.1 IPv6とIPv4の違い
2.2 IPv6対応とは
2.3 IPv6インターネットとIPv4インターネットを同時に使う
2.4 IPv6ネットワークからIPv4インターネットに接続する
第II部 IPv6プロトコルとその周辺技術
第3章 IPv6アドレスとそのテキスト表記
3.1 IPv6アドレス空間
3.2 IPv6アドレスのテキスト表記
3.3 IPv6アドレスの省略表記
第4章 IPv6アドレス体系
4.1 IPv6アドレスの種類
4.2 IPv6アドレス空間の使い方はIANAが管理している
4.3 IPv6におけるユニキャストアドレスの構成要素
4.4 IPv6アドレスのスコープ
4.5 IPv6ノードに要求されるIPv6アドレス
4.6 リンクローカルユニキャストアドレス
4.7 スコープのゾーン
4.8 グローバルユニキャストアドレス
4.9 ULA(Unique Local IPv6 Unicast Addresses)
4.10 IPv4-Mapped IPv6アドレス
4.11 例示用IPv6アドレス
4.12 ユーザへのIPv6アドレス割り当て
第5章 IPv6パケットの構成
5.1 IPv6ヘッダの各フィールド
5.2 上位層でのチェックサム計算に使う仮想ヘッダ
5.3 IPv6拡張ヘッダ
第6章 ICMPv6
6.1 ICMPv6フォーマット
6.2 ICMPv6エラーメッセージ
6.3 ICMPv6情報メッセージ
第7章 近隣探索プロトコル
7.1 近隣探索プロトコルの機能と利用するメッセージ
7.2 ルータとプレフィックス情報の発見
7.3 リンク層アドレスの解決と近隣不到達性の検知
7.4 Redirect メッセージ
7.5 近隣探索メッセージのオプション
7.6 IPv6におけるon-link とoff-link
第8章 IPv6アドレスの自動設定
8.1 SLAACの流れ
8.2 小規模ネットワークにおけるSLAACの利用例
8.3 リンクローカルIPv6アドレスの生成
8.4 SLAACにおけるインターフェース識別子の生成方法
8.5 DAD(Duplicate Address Detection)
8.6 グローバルIPv6アドレスの生成
8.7 Router Advertisement メッセージによるDNS情報の配送
第9章 DHCPv6
9.1 IPv4のDHCPとDHCPv6の違い
9.2 IPv4のDHCP
9.3 DHCPv6の概要
9.4 DUID
9.5 ステートレスDHCPv6
9.6 ステートフルDHCPv6
9.7 DHCPv6-PD
第10章 IP フラグメンテーション
10.1 IPv4におけるフラグメンテーション
10.2 IPv6フラグメントヘッダ
第11章 Path MTU discovery
11.1 Path MTU discovery に関係するIPv4の機能
11.2 Path MTU discovery に関係するIPv6の機能
11.3 上位層プロトコルとPath MTU Discovery
11.4 Path MTU Discovery の仕組みを悪用したDoS攻撃
第12章 IPv6マルチキャスト
12.1 IPv6のマルチキャストアドレス
12.2 マルチキャストのスコープ
12.3 Solicited-Node マルチキャストアドレス
12.4 マルチキャストにおけるゾーン
12.5 MLD(Multicast Listener Discovery)
12.6 ルータを超えるマルチキャスト
12.7 MRD(Multicast Router Discovery)
12.8 リンク層でのマルチキャストアドレス
第13章 IPv6エニーキャスト
13.1 IPv4におけるエニーキャスト
13.2 IPv6のエニーキャスト
13.3 IPv6サブネットルータエニーキャストアドレス
13.4 ユニキャストとしての利用を避けるべきIPv6アドレス
13.5 エニーキャストの注意点
13.6 IPv6エニーキャストとBCP 38
第14章 IPv6におけるマルチプレフィックス
14.1 デフォルトIPv6アドレスの選択
14.2 マルチプレフィックスによるマルチホームの問題
14.3 IPv6サイトリナンバリング
第15章 IPv6とセキュリティ
15.1 IPv6はIPv4よりもセキュアというわけではない
15.2 近隣探索プロトコルとセキュリティ
15.3 SEND(SEcure Neighbor Discovery)
15.4 不正なRouter Advertisement メッセージ
15.5 DHCPv6-Shield
15.6 IPv6アドレスとプライバシー
15.7 IPv6サブネットに対するスキャン
15.8 IPsec
15.9 ICMPv6 を無条件にすべてフィルタリングすべきではない
15.10 トンネル技術が抱える問題
15.11 IPv4-Mapped IPv6アドレスの問題
15.12 ブラックホール用IPv6アドレス
第16章 プログラマにとってのIPv6対応
16.1 Socket APIとIPv6
16.2 単なるIPv6対応では不十分な場合
16.3 Happy Eyeballs
16.4 IPv6ソケットとIPv4-Mapped IPv6アドレス
16.5 ポリシーテーブルの実装
第III部 DNSとIPv6
第17章 DNSの基礎とIPv6対応
17.1 DNSの仕組み
17.2 DNSサーバへの再帰問い合わせと反復問い合わせ
17.3 DNSメッセージフォーマット
17.4 IPv4とIPv6アドレスの問い合わせ例
17.5 DNSの逆引き
17.6 DNSメッセージの512オクテット問題
17.7 IPv6環境におけるDNSの運用上の注意点
17.8 廃止された仕様
第18章 DNSによるデュアルスタック環境の実現と運用
18.1 デュアルスタック環境の実現
18.2 IPv6からIPv4へのフォールバック
18.3 キャッシュDNSサーバとCDNに関する問題
18.4 デュアルスタック環境におけるSRVの利用
18.5 IPv6 DNSホワイトリストとブラックリスト
18.6 アプリケーションのIPv6対応とデュアルスタック環境
第IV部 IPv4/IPv6共存技術
第19章 IPv4/IPv6共存技術の分類
19.1 IPv4/IPv6共存技術のバリエーション
19.2 ステートフルとステートレス
19.3 IPv4/IPv6共存技術利用のパターン
19.4 今後も多くの試みが誕生する
第20章 トンネル技術
20.1 6to4
20.2 Teredo
20.3 ISATAP
20.4 6rd
20.5 4rd
20.6 6PE
20.7 トンネル技術とセキュリティ
第21章 IPv4/IPv6変換技術
21.1 IPv4/IPv6変換の枠組み
21.2 SIIT
21.3 ステートフルNAT64
21.4 IPv4/IPv6変換機用IPv6アドレス
21.5 DNS64
21.6 ALG
第22章 IPv4/IPv6共存技術の運用形態
22.1 DS-Lite
22.2 Lightweight 4over6(lw4o6)
22.3 A+P
22.4 4rd、MAP-E、MAP-T
22.5 CGNを利用して徐々にIPv6対応していく方法
22.6 464XLAT
第23章 プロキシ方式
23.1 HTTPプロキシ
23.2 TRT方式
23.3 SIP用IPv6プロキシ
第V部 IPv4アドレス在庫枯渇対策
第24章 IPv4アドレス在庫枯渇とは
24.1 インターネットの成長とIPv4アドレス在庫の枯渇
24.2 IP アドレス管理の階層構造とIPv4アドレス在庫枯渇
24.3 IPv4アドレス在庫枯渇の対策
24.4 IPv4アドレス移転、IPv4アドレス売買、IPv4アドレス市場
第25章 IPv4 NATとCGN
25.1 NATとNAPT
25.2 CGN
25.3 CGNが抱える課題
25.4 CGNの普及とサーバにおけるアクセスログ
25.5 ISP Shared アドレス
第26章 STUN
26.1 STUN概要
26.2 旧STUNと新STUN
26.3 NATの分類
26.4 NAT機器に要求される挙動
26.5 TURN
付録A NTT NGNでのIPv6
A.1 NTT閉域網IPv6フォールバック問題
A.2 NTT NGN IPv6マルチプレフィックス問題
A.3 IPv6 PPPoEとIPv6 IPoE
あとがき
索引