Goならわかるシステムプログラミング 第2版

Goならわかるシステムプログラミング 第2版

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実はよく知らなかったコンピューターのこと全部

  • 渋川よしき 著
  • 424ページ
  • A5判
  • ISBN:978-4-908686-12-2
  • 2017年10月23日 第1版第1刷 発行
  • 2022年3月23日 第2版第1刷 発行
  • 2023年3月1日 第2版第2刷 発行

OSやメモリのこと、もう少しだけ詳しく知っておきたい!

でも何から手を付けたらいいかわからない。教科書を読んでみても、ふだん書いているコードと違いすぎていまいちピンとこない……。

そんな方々のために、アプリケーションのコードから降りていくことで俯瞰的かつ具体的に低レイヤを自分の糧にできる、たくさんのエンジニアに読まれた名著の改訂版です。

第2版では、シェルプロセスが実行されるまでといった「経験的になんとなく知っているけど……」というトピックの解説が章単位で追加されるなど、初版よりさらにボリュームが増しています。

Goで書かれた「ふつうのアプリケーションのコード」から始めることで、「身近なコードの世界」と「メモリやCPUの世界」との間の巧妙で豊かなつながりが見えてきます!

本書は、2016年9月から2017年8月にかけてアスキーjpの「プログラミング+」コーナーで連載された大好評のWebコンテンツを、さらにわかりやすく紙版の書籍として編纂した初版を改訂したものです。 

著者紹介

渋川よしき

自動車会社、ソーシャルゲームの会社を経て現在はフューチャー株式会社勤務。Python/C++/JavaScript/Golang あたりを仕事や趣味で扱う。ウェブ関連は仕事よりも趣味寄り。著書に『Real World HTTP 第2版』、『Mithril』(ともにオライリー・ジャパン)、共著に『つまみぐい勉強法』、『Mobageを支える技術』(ともに技術評論社)、訳書に『アート・オブ・コミュニティ』(オライリー・ジャパン)、共訳に『エキスパートPython プログラミング改訂3版』(アスキードワンゴ)、『ポモドーロテクニック入門』(アスキー・メディアワークス)など。

目次

第1章 Go言語で覗くシステムプログラミングの世界
 1.1 システムプログラミングとは
 1.2 Go言語
 1.3 Go言語のインストールと準備
 1.4 デバッガーを使って "Hello World!"の裏側を覗く
 1.5 本章のまとめと次章予告
 1.6 問題

第2章 低レベルアクセスへの入口1:io.Writer
 2.1 io.Writerは OSが持つファイルのシステムコールの相似形
 2.2 Go言語のインタフェース
 2.3 io.Writerは「インタフェース」
 2.4 io.Writerを使う構造体の例
 2.5 インタフェースの実装状況・利用状況を調べる
 2.6 低レベルの機能を組み合わせて入出力APIを作る
 2.7 柔軟性が高く、パフォーマンスのよい設計のための Tips.
 2.8 本章のまとめと次章予告
 2.9 問題

第3章 低レベルアクセスへの入口2:io.Reader
 3.1 io.Reader
 3.2 io.Readerの補助関数
 3.3 入出力に関するio.Writerとio.Reader以外のインタフェース
 3.4 io.Readerを満たす構造体で、よく使うもの
 3.5 バイナリ解析用のio.Reader関連機能
 3.6 テキスト解析用のio.Reader関連機能
 3.7 io.Reader/io.Writerでストリームを自由に操る
 3.8 本章のまとめと次章予告
 3.9 問題

第4章 低レベルアクセスへの入口3:チャネル
 4.1 goroutine.
 4.2 チャネル
 4.3 システムからの通知
 4.4 本章のまとめと次章予告
 4.5 問題

第5章 システムコール
 5.1 システムコールとは何か?
 5.2 Go言語におけるシステムコールの実装
 5.3 POSIXとC言語の標準規格
 5.4 システムコールより内側の世界
 5.5 Go言語のシステムコールとPOSIX
 5.6 システムコールのモニタリング
 5.7 エラー処理
 5.8 通常のシステムコール以外の特殊なシステム呼び出し
 5.9 本章のまとめと次章予告
 5.10 問題

第6章 TCPソケットとHTTPの実装
 6.1 プロトコルとレイヤー
 6.2 HTTPとその上のプロトコルたち
 6.3 ソケットとは
 6.4 ソケット通信の基本構造
 6.5 Go言語でHTTPサーバーを実装する
 6.6 速度改善(1): HTTP/1.1のKeep-Aliveに対応させる
 6.7 速度改善(2):圧縮
 6.8 速度改善(3):チャンク形式のボディー送信
 6.9 速度改善(4):パイプライニング
 6.10 本章のまとめと次章予告

第7章 UDPソケットを使ったマルチキャスト通信
 7.1 UDPとTCPの用途の違い
 7.2 UDPと TCPの処理の流れの違い
 7.3 UDPのマルチキャストの実装例
 7.4 UDPを使った実世界のサンプル
 7.5 UDPと TCPの機能面の違い
 7.6 本章のまとめと次章予告

第8章 高速なUnixドメインソケット
 8.1 Unixドメインソケットの基本
 8.2 Unixドメインソケットの使い方
 8.3 Windowsの名前付きパイプ
 8.4 UnixドメインソケットとTCPのベンチマーク
 8.5 ソケットのシステムコール小話
 8.6 本章のまとめと次章予告

第9章 ファイルシステムの基礎とGo言語の標準パッケージ
 9.1 ファイルシステムの基礎
 9.2 ファイル/ディレクトリを扱うGo言語の関数たち
 9.3 OS内部におけるファイル操作の高速化
 9.4 ファイルパスとマルチプラットフォーム
 9.5 path/filepathパッケージの関数たち
 9.6 本章のまとめと次章予告

第10章 ファイルシステムの最深部を扱うGo言語の関数
 10.1 ファイルの変更監視(syscall.Inotify*)
 10.2 ファイルのロック(syscall.Flock())
 10.3 ファイルのメモリへのマッピング(syscall.Mmap())
 10.4 同期・非同期/ブロッキング・ノンブロッキング
 10.5 select属のシステムコールによるI/O多重化
 10.6 FUSEを使った自作のファイルシステムの作成
 10.7 本章のまとめと次章予告

第11章 コマンドシェル
 11.1 シェルとは何か
 11.2 シェルの利用形態
 11.3 POSIX、SUS、LSB、BusyBox
 11.4 環境変数
 11.5 シェルがコマンドを起動するまで
 11.6 Unix哲学とシェル
 11.7 まとめ

第12章 プロセスの役割とGo言語による操作
 12.1 プロセスに含まれるもの(Go言語視点)
 12.2 プロセスの入出力
 12.3 自分以外のプロセスの名前や資源情報の取得
 12.4 OSから見たプロセス
 12.5 Goプログラムからのプロセスの起動
 12.6 プロセスに関する便利なGo言語のライブラリ
 12.7 Go言語では触れることのない世界
 12.8 子プロセスの内部実装
 12.9 本章のまとめと次章予告

第13章 シグナルによるプロセス間の通信
 13.1 シグナルのライフサイクル
 13.2 シグナルの種類
 13.3 Go言語におけるシグナルの種類
 13.4 シグナルのハンドラを書く
 13.5 シグナルの応用例(Server::Starter)
 13.6 Go言語ランタイムにおけるシグナルの内部実装
 13.7 Windowsとシグナル
 13.8 本章のまとめと次章予告

第14章 Go言語と並列処理
 14.1 複数の仕事を同時に行うとは?
 14.2 Go言語の並列処理のための道具
 14.3 スレッドとgoroutineの違い
 14.4 GoのランタイムはミニOS
 14.5 runtimeパッケージのgoroutine関連の機能
 14.6 RaceDetector
 14.7 syncパッケージ
 14.8 sync/atomicパッケージ
 14.9 本章のまとめと次章予告

第15章 並行・並列処理の手法と設計のパターン
 15.1 並行・並列処理の手法のパターン
 15.2 Goにおける並行・並列処理のパターン集
 15.3 本章のまとめと次章予告

第16章 Go言語のメモリ管理
 16.1 メモリ確保の旅
 16.2 Go言語の配列
 16.3 スライスなど
 16.4 ガベージコレクタ
 16.5 本章のまとめと次章予告

第17章 実行ファイルが起動するまで
 17.1 実行ファイルが起動するまで
 17.2 実行ファイルを支える仕組み
 17.3 実行ファイルのメモリ配置
 17.4 Goのプログラムの起動
 17.5 インタプリタでのコードの起動
 17.6 まとめ

第18章 時間と時刻
 18.1 OSのタイマー/カウンターの仕組み
 18.2 さまざまな時間
 18.3 時間に関するシステムコール
 18.4 Go言語で時間を扱う
 18.5 時刻のフォーマット
 18.6 本章のまとめと次章予告

第19章 Go言語とコンテナ
 19.1 仮想化
 19.2 コンテナ
 19.3 Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)
 19.4 libcontainerでコンテナを自作する
 19.5 本章のまとめ

付録A セキュリティ関連のOSの機能とssh
 A.1 乱数
 A.2 TLS(Transport Layer Security)
 A.3 ssh(Secure Shell)
 A.4 キーチェーン

付録B デバッガーのお仕事
 B.1 デバッグ対象のプログラムに接続する
 B.2 プログラムを止めたり進めたりする
 B.3 メモリの読み書きと変更の監視

付録C 参考文献

あとがき
謝辞

索引