『みんなのデータ構造』発売および予約開始のお知らせ

ご来店ありがとうございます。

本日より、新刊『みんなのデータ構造』の発売を開始しました。紙書籍の発送は7月25日前後を予定しています。電子書籍は購入後すぐにお読みいただけます。

『みんなのデータ構造』は、Pat Morin氏による “Open Data Structures” を翻訳して書籍として出版するものです。Pat Morin氏による原文は、クリエイティブコモンズ継承ライセンス(CC BY)で公開されており、誰でも自由に教材として活用できるだけでなく、内容に手を入れて別のライセンスで再配布したり、販売したりできるようにされています。堀江氏、陣内氏、田中氏による翻訳と、ラムダノート株式会社による編集も、すべてCC BYで公開しており、同様に自由に利用していただくことが可能です。

書籍版『みんなのデータ構造』(紙書籍および電子書籍)につきましては、クリエイティブコモンズライセンスではなく、通常の著作物として販売いたします。その代わりというわけではありませんが、訳者によるクラウドファンディングプロジェクトのサポーターの皆さま、訳者である堀江氏、陣内氏、田中氏、そして何よりもPat氏の尽力により、300ページ近い計算機科学の基礎分野の教科書としてはかなりお求めやすい価格での販売が実現できました。独習のための教材としてはもちろん、無償版でのアクセスも可能な学部生向けの教科書などとしてお求めいただければ幸いです。

肝心の内容は、題名のとおり、「データ構造」に特化した教科書です。日本語の教科書では「アルゴリズム」とセットで扱われることが多いデータ構造ですが、本書に目をとおすと、これが単なるデータ置き場の話ではないことが見えてきます。ちょうど、『「超」整理法』において価値があるのが整理用フォルダそのものでないのと同じように、なぜそんなデータ構造を考えるのか、なぜそんなデータ構造だと効率がよくなるのか、というのが『みんなのデータ構造』の主題です。うまくデータを整頓することで計算が画期的に早くなるとか、格納方法を工夫するだけでアルゴリズムが魔法みたいに出てくるとか、そういう話の背景にある理論を実装を通して学ぶ本だといえます。

本書で扱っているデータ構造は、いずれも基礎的なものなので、大学などで計算機科学の授業を受ければ当たり前のように学ぶものだといえます。本書では、高校で学ぶレベルの数学をベースに理論面についても簡潔に解説されており、そのうえで実装へと落としていく過程を味わえるので、論文などで紹介されている理論を自分で実装してみるような力をつける教材としても有効だと思います(練習問題もたくさんあります)。大学などでそうした勉強をするチャンスがないまま仕事や趣味でプログラムを書いている方々(職業エンジニアだけでなく高校生なども!)には、そういう世界で常識のように扱われる内容に触れるきっかけにもなるはずです。

書籍中の実装例はC++ですが、Pat氏のGitHubリポジトリにはJavaとPythonのコード例が、さらに堀江氏のGitHubリポジトリにはGoのコード例があります。原稿はCC BYなので、自分の好きな言語で解説全体を書き直して再配布するといったことも可能です。『みんなのデータ構造』を読んでRustで実装した」といった報告をお待ちしています!